大阪万博のテーマプロデューサー、岡本太郎氏が制作した「太陽の塔」。高さ約65メートルの塔は、当時、強烈なインパクトで来場者を迎えた。40年たった今は周辺に何もない万博記念公園にぽつりとたたずむ。
「万博公園は日本が一番強く未来を夢見た場所。太陽の塔は象徴だったけど、万博を知らない世代にとっては思い入れがない。今は何のためにあるんだろう」。大阪府在住のクリエーター、水谷フミカさん(27)は太陽の塔を眺めて考えた。塔が一人で泣いているようにもみえた。
昨年、水谷さんらの発想をもとに大阪芸術大がアートプロジェクト「未来記憶圏からの目覚め」を企画。太陽の塔を“覚醒(かくせい)”させようと、来場者に携帯電話で「夢」を語るメールを送信してもらい、塔に次々と投影した。
このイベントでは、太陽の塔の“子供”も生まれた。高さは約2メートル。人が中に入ると、不思議な音楽が聞こえる仕組みだ。同大大学院の倉田篤志さん(25)とともに制作した、同大大学院の鈴木翔さん(25)は「太陽の塔をみると『かなわない』と感じる。でも同じ物は作れなくても、僕たちならではの太陽の塔があっていい」と話す。
「それこそ、岡本太郎が望んだことなんです」。岡本太郎記念館館長で岡本氏のおいの平野暁臣(あきおみ)氏は喜ぶ。「閉幕後に壊されるはずだった塔が残ったのは、現在に生きる私たちが必要としているから。若者を挑発し刺激することが使命なんです」
太陽の塔に新しい時代の夢を託す水谷さんは「万博を知る世代はよく『昔はよかった』と言うけど、これから日本を引っ張らなきゃいけないのは万博を知らない私や子供の世代。今必要なのは振り返ることではなく、未来を生きる子供や若者の夢のために、みんなで力を合わせることだと思うんです」と話した。
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